いろんな意味でハードだけれども満足度は高い「ki-gu-mi 松本城」のレビューと制作注意点【難易度5/6,000円弱】

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久々に積んでいたki-gu-miを崩しました。今日は難易度5の松本城。
満足度は非常に高く、オススメ。ただ、ちょっと腕力が必要です。

 

IMG_0103

 

さて、こちらの製品はヨドバシの大き目の店舗でたまに売っています。今回もヨドバシで購入。5,840円と、ki-gu-mi系の中ではそこそこお高め。ki-gu-miを買い始めてから、ヨドバシのポイントが貯まって仕方がないです。

 

難易度は星5。
さすがの難易度5ということで、気合を入れて挑みました。

 

今回の商品もAmazonに売っています。最近Amazonの方が安いですね。

 

 

 

 

 

「ki-gu-mi 松本城」の基本情報

製品は驚愕の10枚構成。

 

「ki-gu-mi 松本城」 のレビューを3ポイントで

 

    1. 難易度5。体力と筋力と集中力を求められる

 

    1. パーツ数は315ほど。細かいパーツは比較的少ない。工程数54。非常に多い。

 

    1. 説明書と実際のパッケージの構成が若干違っていた。

 

 

「ki-gu-mi 松本城」のお値段・難易度など

 

    • \5,840でヨドバシカメラにて購入。(2019年04月頃だった気がする)

 

    • 難易度5

 

    • 製作時間は6時間30分ほど。

 

 

これを書いている筆者

 

    • ki-gu-miは15作目。 (最近組んだ後にレビュー書けてない作品が増えた)

 

    • 塗りとかはやったことないですが、プラモ組んだ数は(20年以上前は)結構な数だった気がします

 

 

 

レビュー:「ki-gu-mi 松本城」は「ki-gu-mi 姫路城」の問題点を大幅に改善した優良キット

この製品、一言で言うと超楽しいです。

IMG_0122

パーツ数が多く、しかもガッチリ嵌まっていきます。

記事でも触れましたが、姫路城のキットの問題点の一つは「工程が進まないとユルユルなパーツが多い」点でした。このため、日をまたいでの作業に支障が出る恐れがあったんですね。

松本城は対照的に、すべてのパーツが一か所を除き、ガッチリとはまっていきます。その一か所は上記の写真の陰になっている壁の部分ですが、直後の工程で完全に固定されます。途中でひっくり返しても外れるパーツがほとんどありません。作ってて安心感のあるキットです。

また、途中で構造がゆがむなどもなく、作り手の腕が素直に反映されます。

私は3~4か所力を入れすぎて瞬間接着剤のお世話になりましたが、嵌め込みやすいような考慮も色々されています。

例えば最初の方で嵌める城の骨格部分。

IMG_0124

実は製品的には空ける必要もない穴を中央にこのように開けています。これが本当にありがたい。

IMG_0125

こんな感じで穴の部分に指をかけてパーツを押し込む作業、かなり多いんですよね。

この穴はキットでは別のパーツが埋まっているのですが、仮にこの穴がなかったら、難易度はさらに上がっていたことでしょう。

「ki-gu-mi 松本城」の制作時注意点

IMG_0107

プラモデルで言うランナー部分の管理がとにかく大変でした。

参考:ランナーについて(プラモデル用語)

“板状”のブロック全体を指しますが、厳密にはパーツを取り巻く棒状の“ワク”を指すものです。

https://hobby.dengeki.com/news/42170/

※本稿では、広義の「ブロック全体」として「ランナー」と扱います。狭義の「ランナー」を「ランナーの枠」と表現します

上記写真は最初の工程でランナー10/6の枠から土台(パーツNo.1)を切り離した直後ですが、いきなり左上と右下で2つの10/6ランナーができます。切り離されたランナーには、最終的に最終盤の工程No.50で使うパーツNo.234を含むため、迂闊に捨てられません。

ランナー10/6ほど極端ではありませんが、とにかくランナーの枠部分が細い。ランナーの枚数を限界まで減らすことで、コストを下げたかったのだと思います。その企業努力はすさまじいと言うべきレベルで、ランナーがとにかく細い。

そのため、工程が進めば進むほど、ランナーの枠が折れやすくなり、どんどん分裂していきます。
ランナー 10/1、10/6、10/10の3つはパーツを切り出すタイミングがバラバラで枠も折れやすく、特に管理しづらいですね。

ランナーが分裂した瞬間に枠部分にランナーNoをボールペンで書き込んで隔離していくか、もしくは予め全てのパーツを分離させた状態で組み始めるかの選択になるでしょう。

筆者は前者の作戦。工程ごとに使うパーツをランナーから切り出すやり方で挑みました。

ただ、制作に2日以上必要になる可能性が高く、スペースさえあれば最初にすべてのパーツを切り出して管理した方がよさそうです。

 

「ki-gu-mi 松本城」の制作FAQ

Q.どの板にどのパーツがあるか探すのに時間がかかります。

A.ki-gu-miシリーズではよくあることですが、筆者も今回は危機感を感じて表を作ってみました。

パーツNo ランナーNo ランナー位置 個数 備考
1 6 75% 1
2 7 100% 1
3 9 53% 1
4 9 98% 1
5 9 93% 1
6 9 49% 1
7 9 40% 1
8 9 19% 1
9 3 58% 1
10 2 43% 1
11 3 38% 1
12 2 71% 1
13 1 46% 1
14 2 29% 1
15 1 61% 1
16 1 89% 1
17 2 86% 1
18 1 14% 1
19 4 76% 1
20 4 82% 1
21 10 31% 1
22 4 59% 1
23 4 65% 1
24 1 96% 1
25 1 57% 1
26 7 38% 1
27 10 20% 1
28 10 29% 1
29 8 13% 1
30 8 42% 1
31 8 45% 1
32 9 2% 1
33 9 7% 1
34 9 5% 1
35 8 34% 1
36 9 63% 1
37 8 47% 1
38 9 9% 1
39 8 71% 1
40 8 84% 1
41 8 87% 1
42 8 89% 1
43 8 92% 1
44 9 58% 1
45 10 74% 1
46 7 42% 1
47 3 42% 1
48 3 46% 1
49 8 24% 1
50 8 68% 1
51 8 63% 1
52 8 58% 1
53 8 55% 1
54 8 61% 1
55 8 66% 1
56 8 21% 1
57 8 18% 1
58 8 53% 1
59 8 11% 1
60 8 3% 1
61 2 79% 1
62 8 5% 1
63 8 8% 1
64 8 16% 1
65 10 6% 1
65 10 34% 2
66 10 9% 1
67 10 3% 1 予備
67 10 37% 4
67-1 10 17% 2
67-1 10 23% 1 予備
68 3 96% 1
69 3 33% 1
70 3 83% 1
71 3 21% 1
72 3 100% 1
73 10 83% 1
74 10 11% 1
75 10 80% 1
76 10 14% 1
77 10 43% 1
78 10 49% 1
79 10 66% 1
80 10 40% 1
81 10 46% 1
82 10 63% 1
83 1 7% 1 予備
83 3 54% 15
84 1 25% 1
85 1 29% 1
86 1 32% 1
87 1 36% 1
88 1 64% 1
89 1 68% 1
90 1 71% 1
91 1 75% 1
92 1 79% 1
93 1 39% 1
94 1 93% 1
95 1 86% 1
96 1 100% 1
97 5 20% 1
98 6 100% 1
99 5 23% 1
100 6 13% 1
101 1 4% 7
101 1 11% 1 予備
101 1 43% 3
102 6 38% 1
103 6 50% 1
104 7 92% 1
105 7 33% 1
106 7 88% 1
107 7 29% 1
108 6 88% 1
109 10 86% 2
110 10 94% 1
111 4 88% 1
112 10 77% 1
113 10 69% 1
114 7 4% 1
115 7 21% 1
116 10 100% 1
117 10 71% 1
118 6 63% 1
119 7 8% 1
120 7 25% 1
121 10 97% 1
122 5 51% 1
123 5 54% 1
124 10 26% 4
125 5 29% 1
126 5 26% 1
127 4 53% 1
128 5 71% 2
128 5 74% 1 予備
129 5 60% 1
130 5 11% 1
131 7 75% 1
132 10 57% 1
133 7 17% 1
134 10 54% 1
135 7 13% 1
136 10 51% 1
137 7 79% 1
138 10 60% 1
139 1 50% 1
140 1 54% 1
141 8 74% 1
142 8 97% 1
143 8 50% 1
144 8 100% 1
145 9 35% 2
145 9 44% 1 予備
145-1 9 28% 1
145-1 9 30% 1 予備
146 8 95% 1
147 8 32% 1
148 8 37% 1
149 8 39% 1
150 8 76% 1
151 8 82% 1
152 8 79% 1
153 8 29% 1
154 9 47% 1
155 9 72% 1
156 9 23% 1
157 9 74% 1
158 9 100% 1
159 8 26% 1
160 9 26% 1
161 9 56% 1
162 9 21% 1
163 9 37% 1
164 9 42% 1
165 9 33% 1
166 9 51% 1
167 9 77% 1
168 9 79% 1
169 9 95% 1
170 9 14% 1
171 9 16% 1
172 9 12% 1
173 9 67% 1
174 9 70% 1
175 9 65% 1
176 9 91% 1
177 9 86% 1
178 9 81% 1
179 9 84% 1
180 9 88% 1
181 9 60% 2
182 7 58% 1
183 10 89% 1
184 7 83% 1
185 7 67% 1
186 7 71% 1
187 7 50% 1
188 10 91% 1
189 7 63% 1
190 7 46% 1
191 7 54% 1
192 5 17% 4
193 3 25% 1
194 3 79% 1
195 4 24% 1
196 3 4% 1
197 3 8% 1
198 5 43% 1
199 3 71% 1
200 3 63% 1
201 4 71% 1
202 3 13% 1
203 3 17% 1
204 5 40% 1
205 3 92% 1
206 3 75% 1
207 2 7% 1
208 2 14% 1
209 5 69% 1
210 2 36% 1
211 5 3% 1
212 5 63% 1
213 4 47% 1
214 5 6% 1
215 4 35% 1
216 5 57% 1
217 5 9% 1
218 1 82% 1
219 2 57% 1
220 2 64% 1
221 4 6% 1
222 4 12% 1
223 4 29% 10
224 4 18% 2
225 4 41% 2
226 5 46% 1
227 5 49% 1
228 2 50% 4
229 2 93% 1
230 5 97% 1
231 2 100% 1
232 5 31% 1
233 5 94% 1
234 6 25% 1
235 5 100% 1
236 1 21% 1
237 4 94% 1
238 4 100% 1
239 2 21% 4
240 5 14% 1
240 5 66% 1
241 3 67% 1
242 5 91% 1
243 5 80% 1
244 5 86% 1
245 5 37% 1
246 5 77% 1
247 5 83% 1
248 5 34% 1
249 5 89% 1
250 3 88% 1
251 3 29% 1
252 7 96% 1
253 1 18% 2
254 3 50% 1

 

項目を説明すると、

パーツNo:説明書の工程に出てくるパーツの番号。

ランナーNo:ランナーの端に書いてある板の番号。「10/ランナーNo」で表現される

ランナー位置:パーツのだいたいの位置。P.11~15のパーツ一覧の中で、左上が0%、右下が100%として表現。左上→右上→左下→右下の順でパーツを数えているが、あくまでも目安として考えてください

個数:ランナー内で同じ番号が入っているパーツの個数

備考:予備パーツとして扱われているものは「予備」と記載。

 

Q.パーツが嵌まりにくい気がします

A.まずはマニュアルを確認。マニュアル通りに作業をしているなら、後はパワーで押し込むしかないです。

本キットは制作に腕力が必要です。「しっかり嵌まる=嵌めるのにパワーが必要」なのです。

それは細かいパーツも同様で、しかも力をかけ辛い構造をしているパーツばかり。

ピンセットなどの工具はほぼ必須と思ってください。

 

Q.筆者的に大変だった工程は?

A.以下の通り。

 

順位 工程・理由
第1位 工程No.17。
パーツNo.61を土台(パーツNo.1)まで深く差し込む必要があるのですが、他のパーツと噛み合わず、非常に苦労しました。ここが深く刺さらないと、工程No.19のパーツNo.66、工程No.22のパーツNo.73&75、工程No.29のパーツNo.111と乾小天守の構築に多大な影響が出るため、なんとしてでも後回しにせずきっちり差し込みたいところ。
しかしパーツの構造上力をかけ辛く、折れる可能性もあり難しい……
第2位 工程No.27。

このキットの最小パーツ、No.101を使用する箇所。
No.102や103に先に101を嵌めようと苦戦しました。先に城にNo.101を嵌めるのが正解だったかもしれません。なお、工程No.29と工程No.45でもこのパーツを使うため、非常に大変でした。

第3位 工程No.22。

工程No.17で案の定パーツNo.61を差し込み切れず、ここでパーツNo.73が刺さりませんでした。

第4位 工程No.33。

乾小天守の頂上の構築ですが、パーツNo.127にNo.129とNo.130を接続する時の力加減が非常に難しいです。筆者は誤ってNo.127を折ってしまい、瞬間接着剤のお世話になってしまいました……

第5位 工程No.38。

全体的に苦戦をするところはないものの、パーツNo.166を差し込む場所がユルユルになってしまい、結局こちらも瞬間接着剤のお世話に。パーツのバランスなんでしょうねえ。

 

他にも瞬間接着剤のお世話になった箇所はありますが、総じてパーツNo.61さえ土台の根本にしっかり刺すことができれば、このキットの苦労の6割は終わります。

Q.1日で作れる?

A.オススメしません。集中力が必要な上、手が疲れて凡ミスを連発します。

筆者も同じことを考えました。パーツの管理の手間が尋常じゃないので、1日で完成させないと確実にパーツがわからなくなる。

そう同じことを考えて頑張りましたが、無理でした。パーツが固いので、抑え込むために手首に過大な負荷がかかり続けます。

しばらくすると、利き手ではない方の手首が痛くなってきて、結局1日制作はギブアップ。

IMG_0115

工程No.35が終わったところ、全体のほぼ60%でした。工程No.33でパーツを折ったのは、この手首の疲れが最大の理由です。

突貫工事でやるにしても2日、通常の制作であれば、11工程ずつ5日間くらいに分けて、ちょこちょこやっていくと楽しいと思います。

Q.一番楽しかったのは?

序盤の石垣づくり(~工程No.16)。好きなんです。石垣。

IMG_0110IMG_0112

今回特に良かったのは入口の階段づくり。
宙に浮いた扉の下に板を大量に差し込むと、いつの間にか扉の前に階段ができていて感動しました。

Q.今回も大天守は乗っただけ?

A.ご安心ください。しっかりと固定されます。

IMG_0126

この柱部分が大天守の頂上の柱部分までカバーしているため、完全固定です。

むしろ作業中はこの柱を掴んで回転させるのが便利なくらいしっかりしていて、今回便利でした。

Q.姫路城と比べるとどれくらいのサイズ?

A.少し小さめです。

公式ページによると、「218×191×172mm」。姫路城が「280×220×210mm」なので、それぞれ一回り小さいですね。

hikaku_01

横に並べるとこんな感じです。全体的に姫路城の方が大きいのがわかりますでしょうか。

hikaku_02

上から見た図。松本城の方がちょっとだけ小さいので、置き場所の幅は広そうですね。

Q.「ki-gu-mi 松本城」、買いですか?

A.上級者向けですが、楽しいです。姫路城よりも組みやすくなっているので、最初のお城としてもおすすめ。

IMG_0134

 

参考:松本城ってこんなお城

現在天守の建物を残す城は12しかありません。そのうち五重の天守は松本城と姫路城だけです。五重天守の実物をみることができるのは2城だけです。

※松本城公式サイトより

上記サイトによると、大きな特徴は5点。

  • 北アルプスを借景にした雄大な景色の中に立つ平城の天守
  • 黒と白の対比の美
  • 戦闘に備えた天守と優雅な月見のための櫓
  • 外観は五重、内部は六階
  • 通柱によって高層化をはかる

なのだそうです。(詳細は上記リンク先をご覧ください)

Wikipediaによると、歴史的には府中小笠原氏が築城した林城の支城の一つ、深志城が始まりのようです。

その後、武田家馬場氏、織田家木曽氏と持ち主を変えるなど諸々あり、小笠原氏が奪還して松本城となったようです。江戸時代には、戸田松平家が代々居城としていたとか。

天守が国宝指定されている5城の一つですね。

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