1万円以上もする本でどうしようか迷ったのですが、、興味のある内容で、一時は長らく欠品のため値段が高騰していたこともあった本だったので買ってしまいました。
Generative Design-Processingで切り拓く、デザインの新たな地平
ジェネラティブ・アートやデザインと呼ばれる分野がありますが、コンピューターのアルゴリズムによって自律的に描かれたアートやデザインのことをそのように呼ぶようです。(wikipediaの難しい説明)
Processingはコンピューターアートやその教育のために開発されたプログラミング言語で、コンピューターにプログラミングで絵を描かせたりすることが比較的簡単にできます。
この本では、ジェネラティブ・アートの素晴らしい作品がとてもきれいな印刷で多数収録されているとともに、Processingのコードが全てダウンロードできるようになっており、その仕組みをイチから学べるような内容になっています。かなりの分厚さと重さがあり、人を攻撃できる鈍器に例える人もいます。
ジェネラティブ・アートで私がおもしろいと感じるのは、プログラミングコードによって全てを制御するのではなく、作品の結果が偶然に依存するところです。
ジェネラティブ・アートのコーディングは、遺伝子や自然界の法則に似ています。形や動きの元となるものをコードで規定しますが、そのコードがどのように発展して作品を描いていくかは、ノイズ関数などによって結果の読めないものとなります。また、最初に与えるパラメーターや定数を意図的に変化させることによっても作品の結果は大きく変わってきます。そして、一定の法則にしたがってコンピューターが描く絵は、時に自分の手では到底描けないような、規則的な、有機的な、複雑な、美しい作品となって現れます。
「Processingをさわったことがあるが、その先に進めない」という人や、「コンピューターでコードを書いてかっこいいデザインを作ってみたい」という人には、これ以上ない教本となっています。この手の本はたいてい高いですが、興味のある人にとっては必ず値段以上の価値があると感じますので、ぜひおすすめします。
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