使わなくなるWindowsXP PCを再利用して0円サーバーを作ってみる(1:CentOSインストール)

PC

さて、それでは古いWindows XPパソコンのサーバー化作業を進めていくわけですが、その前にいくつか注意事項を述べたいと思います。

Index:使わなくなるWindowsXP PCを再利用して0円サーバーを作ってみる

元のPCのデータは残りません

下記の手順は古いPCの中のデータを全て消す作業が入ります。

作業前に、全て消して問題ないかは確認をしておきましょう。もしご家族のPCであれば、事前に承諾/確認は必須です。

元の状態にも戻せないかもしれません

リカバリ領域その他諸々の都合上、ひょっとしたら元の「WindowsXP」の状態には戻せなくなるかもしれません。
※CDからリカバリするタイプの場合など、なんとかなるケースもあります。

下記作業ができるPCとできないPCがあります

例えば一時期流行ったネットブックの一部機種など、以下の手順では作業ができないPCも存在します。特にリカバリCDやDVDが付属していないパソコンは注意が必要です。

壊れている場合は諦めましょう

故障したPCでも、中身(ソフトウェア部分)にトラブルがあるだけであれば、以下の手順でファイルサーバーとして第二の人生(PC生?)を送らせてやることができるかもしれません。でも、機械的に故障している場合はさすがにどうにもなりません。

作業に関して、メーカーサポートは受けられません

自己責任でご実施下さい。

LinuxやCentOSの勉強には向きません

「動けばOK」を合言葉にコマンドの説明等は一切しませんので、それぞれの設定やコマンドの意味はご自分で検索をお願い致します。

「CentOS」を使って古いWindowsXP PCをサーバー化する

さて、ではここから、古いPCに対して実際に作業を行っていきます。

概要

今回は、古いPCの中身を「WindowsXP」から「CentOS(セントオーエス)」へ入れ替えます。
「CentOS」は無料で入手できる現在サーバーの中身(OS)として人気が高いソフトで、「Linux(リナックス)」というソフトの一種になります。

今回は、この「CentOS」の最新安定版「6.5」を古いPCの中身(OS)として入れ替えた後、新しいWindowsPCやスマートフォンでアクセスできるような追加ソフトを入れ、設定を施していきます。

参考リンク

 

XPパソコンを0円サーバーにする作業の流れ

以下の手順で作業を行います。

  1. CentOSをインストールできるDVDの作成
  2. CentOSを古いPCにインストールする
  3. 古いPCに追加ソフトをインストールする
  4. 古いPCで追加ソフト等の設定を行う

2以降は慣れれば1時間もかかりませんが、結構最初は大変なのでお時間のある時に作業して下さい。

準備物

  1. インターネット環境(Wifiでも繋げられるルーターがあればベスト)
  2. 古いWindows XPパソコン(今回のキモです)
  3. 1と2をつなぐ有線LANケーブル
  4. 空のDVD-R
  5. インターネットに繋ぐことができ、DVDが作成できるPC(DVD作成は古いXPのPCを使ってもOK)

今回はご家庭で余っている古いPCの再利用を主題にしていますので、インターネットとは有線で接続することを念頭に置きます。

また、複数台のPCで同時にインターネットに接続するため、インターネットにつながる「ポート(LANケーブルの差し込み口)」が複数必要になる可能性があります。ルーター(場合によっては「ネットワークハブ」)があれば安心です。

今回はイケニエ例としてNECの「Lavie M LM500/2D」に対して、サーバー化をして参ります。

テスト機(NEC Lavie M LM500/2D)スペック

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項目 スペック
型名 LM500/2D
CPU モバイル インテル(R) Pentium(R) III 850MHz
[キャッシュメモリ 32KB(一次)/256KB(二次)]
メモリ 256MB (100MHz)
HDD 約30GB(Ultra ATA-66)
LAN 有線のみ(100BASE-TX/10BASE-T対応)
使用年数 11年
その他詳細 公式サイトをご確認下さい

手順

[1] CentOS インストール用DVDの作成

まず、今回WindowsXPから置き換える「CentOS」のインストールDVDを作りましょう。
コンピュータ系の雑誌や、CentOSの書籍を買った時についてくるケースもありますが、DVDを家で「焼く」環境があれば比較的簡単に作ることができます。

焼くためのデータは「ISO」という形式で様々な場所からダウンロードできます。
筆者は以下のURL(ホームページアドレス)からダウンロードしました。

http://fwnet.or.jp/package/centos/6.5/isos/i386/

こちらのURLは、CentOSの最新安定版(2014/1/8時点)の「6.5」というバージョンの「32bit版」になります。
現在のWindows同様に、CentOSには「64bit版」もあるのですが、今回は「かなり古いPCを使う」こともあり、32bit版をチョイスしております。

たくさんリンクがあるのですが、今回は「CentOS-6.5-i386-LiveDVD.iso」をクリックし、ダウンロードをします。
この「~Live~」と名前がついているものは「ライブCD(DVD)」と呼ばれ、インストール不要で「CentOS」を体験できます。

パソコンにリカバリCD(DVD)が付属している機種であれば、この「ライブDVD」を焼いたDVD-Rをパソコンに入れておき、パソコンを再起動すると「CentOS」のライブDVD用のメニューを出すことができます。

なお、この「~.iso」というファイルですが、一般的なDVD作成ソフトであれば大体読み込むことができ、DVDを作ることができるでしょう。(手持ちのCyberlink社のソフトでも対応してました)
もし手持ちのソフトではできなかった場合「Imgburn」などの無料ソフトを使うのが一番簡単な手段です。
また、CD/DVDを焼けるPCがWindows 7 や Windows 8 などの新しいWindowsであれば、このへんのページなどを読めばすぐに焼けるはずです。

[2] CentOS インストール作業

通常の場合、CentOSのインストール作業自体は実はそんなに難しくありません。
ただ、今回のような「古いパソコン」を対象にインストール作業をする場合、どうしてもCUI(コマンドを入力して動かす、文字ばかりの画面)での操作が必須になります。
本連載では、CUIの操作を最小限にするように作業を目指します(特にyumやvi)
このため、ちゃんとCentOSやLinuxをご存じの方から見れば回りくどい操作に思われる部分が多くでてきますので、ご了承ください。

※逆に言うと、CentOSやLinuxを勉強することでもっと短時間、かつ効率的に作業ができるんです

さて、では実際に作業を始めます。
環境やパソコンの機種にもよりますが、結構時間がかかるので気長になりましょう。

(1)古いWindowsパソコンは、ACアダプターとLANケーブルをつないで、長時間インターネットができる状態にしておきましょう。
※無線LANよりも有線LANがオススメです

(2)古いWindows XPパソコンに、焼いたDVD-Rを入れてから再起動しましょう
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(3)電源を入れてしばらく放っておくと、このような画面が出てきます。
キーボードの「↓」を4回押して、「install」を選びます。


※実はここから、2パターンに画面が分かれます。
今回扱う「古いPC」の場合は、恐らく下のような画面になるはずです。ただ、性能の高い機種、比較的新しい機種は別の、もっとキレイな画面が出ますので、「CentOS6.5 インストール」などでググって出てくるいくつかのホームページを参考にインストールにチャレンジしてみてください。キレイな画面が出てきた場合、インストールは下記の手順よりももっと簡単です。


なお、下記は基本的にキーボード操作になりますので、「←」「→」「↑」「↓」の各矢印キーと「Enter」キーなどで進めます。


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(4)言語を選ぶ画面になりますので、お好みの言語を上下の矢印で選んだ後、「→」を押し、「OK」のところでEnterキーを押し、次の画面に進みます。
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(5)今回は「Japanese」(日本語)を選んで作業を進めます。そのままEnterキーで次の画面へ。
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(6)この画面も矢印の上下で選択です。「jp106」を選んだ後、「→」を押し、「OK」のところでEnterキーを押し、次の画面に進みます。

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こんな画面が出た後に……

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(7)タイムゾーンの設定が出ます。「→」を押し、矢印の上下で「Asia/Tokyo」を選び、もう一度「→」を押す。「OK」のところでEnterキーです。

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(8)管理者権限(root)のパスワード設定をします。1回目のパスワードを入力したらEnterキーを押し、すぐに1回目のパスワードと同じ入力をして下さい。インターネットに繋がっている以上、外からの攻撃や他者への攻撃の踏み台などにされる可能性も考えるべきでしょう。安易なパスワードは厳禁です

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WARNING!! 本作業を実施すると、元々古いPCに入っていたデータが全て消えます。作業前に、一度データを消して良いかどうかを確認しておきましょう

(9)「どこにCentOSをインストールするか?」という確認です。
恐らく出てくる選択肢は

  • Use entire drive
  • Relpace existing Linux system
  • Use free space

のはずです。
矢印の上下で一番上(ドライブ丸ごと入れ替え)を選んで、「→」を押し、「OK」のところでEnterキーを押し、次の画面に進みましょう。

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※選択肢次第ではこんな画面が出てくることも。これは「Use free space」を選んだ時によく出てくるエラー(空き領域がないので先に進めない)です。このようなエラー画面が出た場合、エラーの内容を読んだ上でEnterキーを押すと、ひとつ前の画面に戻ることができます。

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次にこのような画面が出ます。「→」を押し、「Write changes to disk」のところでEnterキーを押し、次の画面に進みましょう。

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あとはしばらく待ちます。
結構時間がかかりますので、コーヒーや紅茶を淹れたり、カップ麺を作ったり、洗濯物を取り込みつつのんびりと待ちましょう。

なお、もし帰ってきた後画面が真っ暗になっていた場合ですが、通常はキーボードの「→」などで復帰できます。
復帰できなかった場合はACアダプタなどの電源周りの可能性がありますので、電源関係を見直してみてください。

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まだまだ待ちます。このメーターが100%になるまでが結構長いです。
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(10)この画面が出たらインストール完了です。お疲れ様でした。
Enterキーを押すと、PCが再起動します。
ここでDVD-Rを抜いておかないと、また(3)の画面に戻ってしまいます。
このタイミングでDVD-Rを抜きましょう。

※インストールは終わっているので、(3)からの手順を繰り返す必要はもうないんですけどね

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こんな感じで今までと全く違う画面が出てくるため、ちょっと面食らうかもしれません。
これがCentOSというOSの、WindowsXPで言えば「Windowsの旗がでっかく出ている画面」に相当します。
しばらくお待ちください。

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(11)最後に設定ツールが出てきますが、通常は無視して大丈夫です。「→」を押し、「Quit」のところでEnterキーを押し、設定ツール画面を脱出します。

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(12)そうすると、こんな真っ暗な画面が出てきます。画面のように、「localhost login」が出たら「root」と入力してEnterキーを押し、すぐに(8)で設定したパスワードをキーボード入力して下さい。終わったらEnterキーです。

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(13)写真のように、画面の一番下の行に以下の文言が表示されたらOKです。

[root@localhost ~]#

長くなりましたので今回は一旦ここまで。
なお、ここで一旦PCの電源を消す場合は、キーボードで「shutdown -h now」と入力し、Enterキーを押して下さい。
次回以降は(12)の画面になりますので「root」→Enterキー→(8)で設定したパスワード入力→Enterキー、と入力すればOKです。

ここからファイルサーバー機能を受け持つ「Samba」のインストール等を行っていくのですが、この画面ですと恐らく本記事の対象の方は「何をどうしたらいいのかわからない」という状態になってしまうのではないかと思います。
ですので、一旦この画面を切り替えて「Windowsみたいな画面」にして、作業を進めます。

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